「レフトアローン」その曲だけは!一生吹く事はないと思っていた。
ところが、なんということでしょう~!
今まで練習した曲とは全く違う、自分にぴったり寄り添ってくれるような音色
吹きながら自分が癒されているような不思議な感覚で心地良い♪
生前夫は「僕はいつかピアニストになる」と言っていた。
それならば、老後に音楽でコラボを!と私が選んだのはサックスだった。
(本当は、歌を歌うと申し出たところ「君は歌わなくていいよー」と断られたから)
一周忌が終わって間もなく、夫が参加していた【お父さんピアニストの会】から声掛けを頂き、発表会に出させて頂いた。
演奏して下さった佐藤会長が、次は『レフトアローン』はどうですか?と仰った。
「無理です!」と私。(その曲だけは絶対に吹きません!というニュアンスで凄い剣幕だったと思うんです。会長ごめんなさい!)
三回忌が終わったある日、突然、何かが私に降りて来た。
「次はレフトアローンを吹いてみよう」と思った。
いつものレッスンの先生が言った。「続けていると、音楽って奥深いものと感じる事が僕はあります。会長は敢えて鈴木さんにこの曲を勧めて下さったのかも知れませんね。」
次の発表会にこの曲を選んだ私を、先生はとても喜んで下さった。
それまで暫くのあいだ、辛そうにちょっと無理してレッスンに通う私を心配して下さっていたようだ。
曲を勧めて頂いてから一年が経過したけれど、人生を一歩進められた実感が今の私にはある。
そして音楽を通して、改めて会長や先生の思いやりと優しさを知る事となった。
まだまだ、音楽の奥深さの入り口を除いたばかりなのだとも思う。
練習を開始した私にもうひとつ変化が起こった。
ご飯が美味しい~~!!しばらくの間、無理して食べていた、と今気付く。
「毎日楽器に触れていると成長しますよ」というアドバイスに従い、今日もお風呂にお湯を張る5分間だけ練習する。
このがかけがえのない時間を大切にしようと思う。
※このブログは家ねっと11月2日付けで掲載したものです。